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『住まいの基本を考える』堀部安嗣 感想

『住まいの基本を考える』堀部安嗣 感想

こんにちは、楓*です♪

この記事は、堀部安嗣さんの『住まいの基本を考える』(新潮社、2019)を読んで私が感じたことや、考えたことをまとめたものです。

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堀部さんは京都造形芸術大学大学院の教授も務める建築家で、
住宅建築の名手と謳われることもあるように魅力ある住宅を設計・デザインされている方です。

堀部安嗣建築設計事務所

 

 

堀部さんの手がけた住宅の写真を雑誌で見かけ、
その建築に興味を持ち始めて出会ったのがこの本でした。

この本は著者が初めて本格的な住宅論について書いたもので、
私にとっては、
日本でいま住まいを得ることに対して考えるためのテキストのような印象を受けました。

日本の気候、風土、歴史などに合ったもので、
これからの日本の社会に適したサイズの、環境的なストレスのない家

かつ、かつての美しかったであろう日本の原風景を取り戻せるような家

そういった家を作っていくことが、
これからの、数世代先の未来のためにも必要であろうと伝えていました。

この本の中で、
堀部さんは建築に対して利己的・利他的という言葉を使っていました。

例えば住宅というのは住まい手だけでなく、
周囲に暮らす人々にも大きな影響を与える
ものです。

そこに緑豊かな家があり美しい街並みが守られていれば、
そこで暮らす間だけでなく、
美しい街並みの風景が誰かの記憶のなかにも生きていきます。

住まい手が快適に暮らすというだけでなく、
その周囲にも良い影響を与えるような住宅を建てるということは、
すぐにその価値はわからない、目には見えないけれど大きな価値があるのだと感じました。

そういった影響を鑑みながらも、
多くの人が取り入れられる普遍性をもった家、
“ベーシックハウス”
というものを考えていこうというのがこの本の大きなテーマのひとつです。

また、第4章の「本当の財産とは」での資本主義経済、消費社会に対する発言では、
今の日本、あるいは世界で起こっている状況を鋭く指摘しています。

強者の論理から外れたものは切り捨てられ、生きる場所を失ってゆき、価値の多様化とはうわべだけで実は画一的で平面的な強者の論理、価値、手法を知らず知らずのうちに植えつけられています。そして、強者の論理のほとんどは商売の損得勘定からつくられているのです。

『住まいの基本を考える』(堀部安嗣著、新潮社、2019)p.68

ときに鋭く、ときに温かく、
これからの日本の住宅のあるべき姿を提案しており、
今後日本で家を持つ可能性のある人皆に読んでほしいと思える本でした。

 

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最後までお読みいただきありがとうございました!