レイチェル・カーソンの『センス・オブ・ワンダー』を読みました。
レイチェル・カールソンはアメリカの作家で海洋生物学者、自然破壊への警告を発した先駆的なジャーナリストでもあります。
この本は、病に冒され作者が亡くなったあとに発表されたもので、作者の人生を通して次の世代に伝えたい思いが詰まった作品だと思います。
まだ小さな甥(正確には姪の息子)のロジャーとともに、自然と対峙する二人の様子が描かれているのですが、小さな子供とともに目の前に広がる自然の世界を楽しむ二人の姿から、まだ気づいていなかった自然への関わり方を知ったように思います。
自然と関わることを特別なことにしていて、自然に対して天気の良さとか季節の美しさとかがないと見ないような風潮があって、私自身も忙しければ忙しいほどその兆候はある。
でも、自然とは私たちの思いとは関係なく、日々営まれているもので、どんな瞬間も面白さに満ちているものなのではと、この本を読んでいて思いました。
人工物と自分本位の自然への関わり方を超えて、どんな天気でも、環境でも、自分と切り離してただただ自然と向き合う時間を作れたら、子供の頃のように新鮮な驚きと好奇心に満ちた世界が広がるのではと思いました。