思い通りにいかないからこそ愛おしい日常と それでもひたすらに重ねていく日々。 なにもないように見えて、なにもかもがある。
『ふらりふらり帖』(柳沢小実著、新泉社、2005)p.2
この本はジャンルでいえば暮らしにまつわるエッセイです。
テーマに沿って、楽しい時間の過ごし方を提案してくれたり、 柳沢さんの好きなもの、気になったものについて、 気楽な雰囲気で魅力的に語ります。 それから最後にはWEBで公開した日記も。 目次を見るとその雰囲気が少し伝わるかと思うので、目次をご紹介します。海をめざして チャーミング・シックな六月の鎌倉 初秋の鎌倉へ買い出しに 風を感じる鎌倉プチデート ひとりでのんびり、文芸ガールの鎌倉物語 地元の友人に案内してもらう、リラクシン鎌倉 鎌倉後のブランチ 乙女の切手道 グラスに焦がれる わたしの蔵書票 装画で本選び ふらりふらり帖 『ふらりふらり帖』(柳沢小実著、新泉社、2005)目次より鎌倉をテーマにしたお散歩の提案から始まりますが、 地図が載っているような観光めいた紹介ではなく、 あくまで文章と少しの写真で鎌倉での散歩について綴ります。 私はこの本が昔から大好きで、このお散歩の提案をいくつか実践した記憶があります。 神奈川県立近代美術館の鎌倉別館でイサム・ノグチの作品を観たり、 イワタコーヒー店でぶ厚いホットケーキを食べたり。
思えばわたしの心はいつでも涙ぐんでしっとりと露を含んでおり、「嬉しい」や「せつない」やどんな言葉にも当てはまらない曖昧な気持ちたちが大さわぎしていました。 『ふらりふらり帖』(柳沢小実著、新泉社、2005)p.154