澤村伊智さんの『邪教の子』を読みました。
邪教の子|作品紹介
2021年に文藝春秋から出版されました。
『ぼぎわんが、来る』(『来る』とタイトルを変えて映画化)で衝撃のデビューをした澤村伊智さん。
『邪教の子』澤村伊智 | 単行本 – 文藝春秋BOOKS – 本の話
次々とホラー、ミステリーの力作を発表し続ける澤村さんの、新たな代表作が誕生しました。
舞台はどこにでもある平凡なニュータウン。そこにカルト教団の信者の家族が引っ越してきます。その家族は明らかにご近所から浮き上がっていて、しかも娘の茜はどうやら虐待を受けているらしい。主人公の慧斗は、茜の現状を見かねて救出に乗り出すが……こう書くと悪の組織から「お姫様」を救い出す子どもたちの冒険物語が展開されるのかと思いきや、そこが一筋縄でいかないのが澤村伊智さんの魅力です。
どんな風に「一筋縄でいかない」のかは是非ご自身の目で確かめてみてください。
邪教の子|感想
新興宗教を扱ったホラーミステリなんて、恐ろしいに決まってる……!
しかも書いているのは澤村伊智さん。
おもしろくないわけがなかろうとう思い読んでみることに。
新興宗教にハマっている家族が近所に引っ越してきて、その奇妙さをつきつけられ、やがてその家の子どもを助けようと奮闘する。
まぁだいたいこのような感じのストーリーが展開されるのだろうと思っていたのですが、違った!(笑)
途中まではまぁそうなのですが、さすが澤村さん。
いい意味で期待を裏切って、むしろ明後日の方向に走っていくのをびっくりしながら追いかけていくような感じの読書でした。
突拍子もないながらも、妙な説得力があるので、その展開を鼻で笑うなんてことにはまったくならず、ひたすらぽか〜んと関心してしまいました(笑)。
構成の妙もあって、あれ〜前半ってこういうことか〜みたいな驚きもあり、序盤から中盤、ラストと、どの部分でも見どころがあり飽きることなく一気に読んでしまいました!
澤村さんは内容ももちろん面白いのですが、文体や言葉選びが自分の感覚に合っていてストレスなく文章が頭に入っていくるありがたい作家さんです。
また別の作品も読もうと思いました!