楽しく浪費し続けるための不真面目ファイナンスプラン、必要すぎる。 『一生楽しく浪費するためのお金の話』(劇団雌猫×篠田尚子、イースト・プレス、2019) p.8この本の著者である劇団雌猫さんは、オタク4人組(とプロフィールに書いてあります 笑)。 2016年にさまざまなジャンルのオタクがお財布事情を告白する同人誌『悪友vol.1 浪費』を制作しネットを中心に話題となりました。 劇団雌猫 Twitter 篠田尚子さんは、楽天証券経済研究所のファンドアナリストで、上の4人と同じくオタクで浪費家のファイナンシャルプランナーなのだそうです。 篠田 尚子 | トウシル 楽天証券の投資情報メディア この本では、お金をつかうことが大好きなオタクたちのために不真面目なファイナンスプランを提案してくれます。 劇団雌猫さんと篠田尚子さんの対話が中心で、読者の心境を劇団雌猫さんが代弁してくれるので、お金の話なのに親近感がわいて読みやすいです。 この本の喩えでいうなら保健室で気になる悩みを相談しているような感じ。 普段は相談しないことを、たまにはしっかり掘り下げてお話ししようみたいな雰囲気です。 また、途中の箸休め的なコーナーのオタクならではの貯金のアイデアなんかも笑えます。
推しキャラの生活費貯金。推しキャラに生活費を払っているという設定で、専用口座に定額を毎月貯金しています。 『一生楽しく浪費するためのお金の話』(劇団雌猫×篠田尚子、イースト・プレス、2019) p.149真面目すぎない会話やコーナーをはさみながら、自然と身の回りのお金のこと(税金や保険など)や、これからのお金のこと(年金や貯金など)、お金の活かし方(投資)の基本的な知識が身につくので、お金の知識はないけれど気になってきた人の最初の1冊にぴったりです。 自助努力が求められる雰囲気になっていく近頃ではいろいろと不安になりますが、
(前略)危機感があるなら、多少見切り発車でも、とにかく何かしら始めてみること 『一生楽しく浪費するためのお金の話』(劇団雌猫×篠田尚子、イースト・プレス、2019) p.160が大事だなとこの本を読んで改めて思いました。 完璧な知識やタイミングを目指していてはなかなか始められないし、 そもそもその知識がたとえ最善なものでも、その時点での話ですからね。 やりながら、時に失敗をしつつ改善していくのがいいのかなと。 それから、劇団雌猫さんの「貯めながら増やす」ために一番大切なことは?という質問に対しての篠田さんの答えも、前向きにお金と付き合っていくうえで大切なことだなと思いました。
「楽しい浪費生活を送りたい」という気持ちを持ち続けることでしょうか。楽しく使うために貯めて、さらに増やす……これほどまでにシンプルで前向きなモチベーションの保ち方ってないと思うんです。 『一生楽しく浪費するためのお金の話』(劇団雌猫×篠田尚子、イースト・プレス、2019) p.194焦らず、悲観的になりすぎず、人生を楽しみながら、いっそ準備自体も楽しんでいきたいですね!