一九八四年|ジョージ・オーウェル

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一九八四年 書影

3回目のワクチンを接種した翌日、だるいけれどまぁまぁ元気だった私は一日読書をしていました。
(昨日の話です。だいたい翌日以降に投稿しています)

読んでいたのはジョージ・オーウェルの『一九八四年』です。

村上春樹の『1Q84』の大ファンだし予てから気にはなっていて、家族が購入していたため家にもずっとあったのですがなかなか読むタイミングにならず(次から次へと本を借りたい買ったりしたからですけど)。今回ふと読みたくなり手に取ってみました。

まだ微熱はあるものの結構元気なので(笑)、軽い感想をメモがてら記録しておこうと思います。

出版された時期から見ると近未来の社会の姿を描いたSF作品です。
うっすらと聞いてはいましたが、強烈な世界観でした。
ナチスやロシア共産党をはるかに超える全体主義と権威主義の世界で、ひとりの男が自分のいる世界に対して違和感を抱くところから物語がはじまります。

その世界では思考警察という人々の思考を取り締まる者たちがおり、今現在反政府的態度をとる者だけでなく、党の体制をいずれ邪魔するであろう者も法的な根拠や処置なしに消されてしまうというとんでもない日常の世界です。

このがんじがらめの世界で人はどう生きるのか。
ある人は自分のなかの正気と狂気に混乱し、ある人は疑問もなく受け入れ、ある人は受け入れているように見せかけて陰で逸脱した行為をしている。

前半はさまざまな人物の振る舞い方に興味を引かれ、後半は洗脳のするさまにあっけにとられ、ぞっとしました。

洗脳するには、心身ともにその人物を追い込む必要があるというのは知識では知っているけれど、文章にして想像しながら読むのはなかなかにハード。

ただ、このとんでもない物語のなかにナチスやロシア共産党や社会主義に対してのメッセージだけではなくて、現代に通じるものが結構見られたのが印象的でした。

印象的な文をいくつか引用しておこうと思います。

プロールたちが強い政治的意見を持つことは望ましくないのだ。かれらに必要なのは素朴な愛国心だけ。

相容れない矛盾を両立させることによってのみ、権力は無限に保持されるからだ。

もしわれわれが呼ぶところの上層グループが、永久にその地位を維持するつもりならー広く人々の間に見られる精神状態は、統制された狂気でなくてはならない。

自分よりも高度の知性を持った狂人に対して何が言えるというのだ?

特にここ数日の安倍晋三元総理の事件からパンドラの箱が開いたかのような日本の一部の状況と比べるとなかなか考えさせられるものが。
世界を目を向けると、もうすでにこの状態に近いように見える国も思い当たりますし。

とはいえ、主人公がバッドエンドを迎えたあとに、物語のなかに出てくる用語に対しての物語の世界で描かれた解説文が附録としてあるのですが、この附録によってその世界を席巻していたイデオロギーの世界観が成り立たなかったことが示唆されており、そこがこの物語の救いとなっていました。

現代の社会にも大いに役立つ物語でした。
読んでよかったです!

楓*

楓*

主婦 兼 校正者

東海地方に住む主婦で校正者の楓*です。
記録しておきたい日々の出来事や思い出、整理しておきたことなどをブログに綴っています。
旅・山・自然が大好きで、趣味は読書とおうちでの映画・ドラマ鑑賞です。
美術館やギャラリーをめぐることも好きです。

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