この記事では、
数え切れないほどの出張校正に行った私が、
どんな現場に当たっても困らないように持っていく、
校正作業に関するものを、
ひたすら公開していきたいと思います!
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目次
出張校正とは、校正者が直接現場に行くこと
出張校正というのは、プロダクション等に所属している校正者が、
印刷会社、制作会社、出版社等に直接出向き、
その場で校正作業を行うことです。
依頼されて行くのですが、
受け入れる会社側の対応は千差万別。
静かな部屋、大きな机、
パソコンや各種文房具までそろえてくれているところもあれば、
賑やかな部屋の片隅で、
荷物に埋もれた小さな机で、ゲラのみ渡されるなんてことも。
担当者が別のフロアにいたり、
対応してほしいけれどすぐに捕まらないなんてこともあります。
あまりにもひどい場合は、
呼ばれた会社に作業をするのに必要な条件を伝えたり、
自分の所属会社に訴えるべきなのですが、
たいていの場合、校正作業のための時間が減ってしまうため、
細かなやりとりをしている時間はあまりありません。
ということで、
出張校正時は、できるだけ自分が困らないように、
あらかじめ対策を練っておくことをオススメします。
慣れない現場ではとくに、
校正作業自体に集中できるようにしておくことが、
校正初心者さんには重要なことかと思います!
文房具はすべて自前で持っていこう
シャーペン
これをもっていかない人はいないですよね(笑)
私はKURU TOGA 0.5/0.7を用意しています。
もちろん芯も持って行きます。
消しゴム
細かい部分を消すために、スティック型の消しゴムも必須アイテム。
エンピツ疑問の1文字だけ書き間違えたとか、
そういったときにとても便利です。
赤ペン、青ペン、黒ペン
私は基本的に赤字をフリクションでいれます。
客先から指定があった場合のみ、普通のボールペンを。
ダーマト、蛍光マーカー
赤字つぶしや、各種確認作業のときに使います。
渡された原稿やゲラのなかで、
すでに使用されている色は避けるようにしています。
ミルキーペン
黒地のゲラなど、赤字やエンピツが埋もれてしまう場合に必須のペンです。
また光沢のある紙などにも書き込めるので便利です。
白をエンピツ、ピンクを赤ペン、水色を青ペンとして使用します。
定規
広げると30cmになるタイプです。
私の場合、
他の資料の確認箇所に置いておいたり、
ゲラを読むときに置いてみたりと、
線を引くよりも確認作業の補助として使用することが多いです。
クリップ
いろいろな資料を随時渡されてしまったりするので、
手元の資料が混ざりそうなときにあると便利です。
基本的にはまとめられて渡されるはずなので大丈夫だと思うのですが、
ノンブルや柱、ツメなどのページ周りの煽り校正をするときに、
ないとかなり辛いです。
指サック
ノンブルの確認や、ページ周りの煽り校正のときにストレスなく作業ができます。
各種ふせん
気になった箇所、先方に確認したい箇所など、
目的によって色を使い分けて貼ると作業がラクになります。
出張校正では、
作業が全て終わってからまとめて確認をしたり、
申し送りをすることが多いので、
確認や報告にモレがないように気をつけています。
ノート、電子辞書
ノートと電子辞書は言わずもがな。
この電子辞書には広辞苑と明鏡国語辞典が入っています。
明鏡は漢字の使い分けがはっきり示されているので、
漢字の使い分けに迷ったときに便利です。
電池切れは困るので乾電池も。
文房具は、どこの会社にもあるものなのですが、
足りない、あれがほしい、と思ったときに、
いちいちやりとりをするのが面倒なので、
初めて行く現場ではとくに、くまなく持っていきます。
辞書は各自好みのものを参考にすればいいと思うのですが、漢字の使い分けに自信がない人は明鏡国語辞典が入っている電子辞書がオススメです。
広辞苑や大辞泉などでは細かな使い分けまでは触れていない場合が多いのですが、明鏡はわかりやすい基準が乗っています。
明鏡が正解ということではないのですが、判断基準の根拠にはなるので私はかなり利用しています。
困ったときにも対応できるようにしておこう
本当に困ったときには、
すぐに相談したらいいと思うのですが、
相談してもどうにもならなそうなことや、
相談するほどではないけれど、ちょっと気になる、
なんてことにもあらかじめ対応できるようにしておきましょう。
うるさいときどうするか
静かにしてもらう、というのは難しいので、
耳栓を持っていきましょう。
比較的静かな環境でも、
特定の人の話し声が気になってしまったり、
その日一緒に作業することになった校正者の作業音が気になる、
なんてことはよくあることです。
寒いときどうするか
空調も会社によって違いがありますし、
通された場所によっても体感が変わりますよね。
私は羽織物は必ず持っていき、
夏場でも小さなホッカイロをバッグにいれておいています。
冷えすぎてお腹が痛くなりそうだな、なんていうときに便利です。
冷え性の女性校正者の方で、ひざ掛けを用意している人もいました。
私も冬場は、大判のストールを寒いときはひざ掛けにしています。
自分で空調を調節できればいいのですが、
難しいこともあるので、
自分の体調と相談して必要なものは持っていきましょう。
パソコンがない
スマホがあれば大丈夫ですね。
バッテリーが持たない人は、充電器もあると安心ですね。
校正をしていて、
気になる事柄や文言は必ずでてきます。
校閲的な作業はしなくてもいいと言われていても、
ネットで調べてすぐにギモンが解消するなら調べてしまいたいですよね。
このギモンがどう転ぶかわからないから、
その言葉に注目しながら先を進めなければならない、
というのは極力減らしたいのです。
余裕があれば持っていく便利なもの
記者ハンドブック、電卓、ブラシ
共同通信社の『記者ハンドブック』は、
いろいろな情報が詰まっているので、
どんな内容が記載されているのか把握しておくと、
「記者ハンぞろえ」の指示でない場面でも便利に使えます。
なんか変なんだよな〜なんて言葉に出会ったときに、
先方になんで変に感じるのか説明するのにも便利です。
検算などで、
電卓をかなり使いそうな案件のときは大きめの電卓を持っていきます。
ちょっとした計算は、
スマホと電子辞書にある計算機でやりますが、
カタログなどで、ひたすら税込み金額を確認するとか、
グラフや表がいっぱいで整合性を確認しながら読むときなんかは、
ちゃんとした電卓がやっぱり便利です。
ブラシはおまけですが、
消しゴムのかすを手やティシュで片づけるのって意外と大変なのと、
さっと掃きながら、きれいをキープして作業するとはかどるんですよね。
出張校正時の持ち物についてのまとめ
初めて行く現場の場合としてご紹介してみました。
何度か行き、何が用意されていて、どういった状況で作業するのか、
わかるようになれば、ここから削っていく感じです。
また、昼食をどうするかあらかじめ確認できないときは、
昼食・水・お菓子は持参することが多いです。
外出できないということはまずないと思いますが、
ビルが大きすぎてコンビニが遠いとか、
周りにあまりお店がないとか、
いきなり残業になったりとかがあるので。
私は面倒くさがりで、
初めて行く会社での出張校正の際に、
あれどうしよう、これどうしようと、毎回悩むのがイヤで、
このようなセレクトになりました。
結果としてその日の作業で使わないものもあるかと思いますが、
参考になればいいなと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました!