読書

深緑野分『ベルリンは晴れているか』|戦時ドイツを舞台にした臨場感あるミステリー

こんにちは、Nagoya / Nagoyaka log の楓(@kaede_twi)です。

この記事では、
深緑野分『ベルリンは晴れているか』
あらすじや感想について書いています。

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この物語の著者・深緑野分さんは
2013年に『オーブランの少女』でデビューし、
2016年『戦場のコックたち』では直木賞候補、本屋大賞第7位となり、
2017年、第66回神奈川文化賞未来賞を受賞。
本作では本屋大賞第3位、Twitter文学賞第1位、このミステリーがすごい!第2位などに輝きました。

各所からの評価に加え、
戦後のドイツが舞台のミステリーという珍しい設定にも惹かれ、
読んでみたくなりました。

『ベルリンは晴れているか』のあらすじ

敗戦後、焦土と化したベルリンである篤志家の男が殺された。

それは主人公・アウグステの恩人の男で、
アウグステは殺人の嫌疑をかけられてしまう。

ソ連の管理区域に連れていかれ、話を聞かれるアウグステ。
男の死を解明するために話を聞くNKVD(ソ連の内務人民委員部)の大尉ドブリギン。

すると彼に、
同じく嫌疑のかけられているある人物に会いに行くように言われる。

さきほどソ連管理区域で助けたカフカを連れて、
アウグステの人探しが始まった。

『ベルリンは晴れているか』感想

ここからは感想を書いています。

ネタバレなしバージョンと、ネタバレありバーションがあるので、
まだ読んでいない方はご注意ください!

また、私が感じたことを素直にそのまま書いているので、
その点も併せてご注意ください。

『べルリンは晴れているか』感想(ネタバレなし)

ある男の死の謎を解くミステリーでありながら、
序盤はベルリンをめぐる冒険小説のような面白さがありました!

連合国軍に分割統治され混乱したベルリンを、
心と身体に戦争による傷を持つ人物たちと出会いながら
人探しのために進んでいく。
もちろん簡単にはいかない。

物語は、戦後と戦前・戦中の話に分かれ、
その中で描写される市民から見た戦争の様子はリアルで、
まるで戦争体験記を読んでいるかのようでした。

エンタメとしての面白さ以上に、
想像を超えた戦争の恐ろしさを伝えるすごい物語でした!

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直木賞候補作、本屋大賞第7位

 

⇩この下の感想、ネタバレありなので注意してください⇩

 

『べルリンは晴れているか』感想(ネタバレあり)

ドイツ国内の市民から見た戦前・戦中・戦後の様子を、
こんなに臨場感をもって体験できる小説ありますかね?!

驚きすぎて参考文献と謝辞をじっくり眺めてしまいました。
著者が相当な覚悟をもってこの小説を書き上げたということが窺えました。

子ども心にも違和感をもつ偏見に満ちた窮屈な社会。
だんだんと統制がきつくなっていく日々の暮らし。
迫害されていくユダヤ人一家や障碍者の様子。
目撃してしまった難民キャンプでのユダヤ人たちの姿。
襲われていく女たち。

読者の戦争にまつわる想像を遥かに超えて、
戦争の恐ろしさを伝えてくれたような。

もちろんミステリーとしても面白かったです。
ドブリギン大尉に拘束され森に連れて行かれたアウグステが真相を告白するシーンは、
劇を見ているようにドラマティックで興奮しました。

ただし振り返るとやっぱり、
戦争の描写の恐ろしさが心に残ります。
学びのあるミステリーでした!

マメナチカ
マメナチカ
ラストに驚いてたネ!
楓
アウグステの告白から真相が全く予想外だったよ!斑点については引っかかってたけど想像以上の終わり方だった!

最後までお読みいただきありがとうございました。