『黒いピラミッド』福士俊哉|自由に綴る感想&レビュー

2 min
福士俊哉『黒いピラミッド』

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この記事では、
福士俊哉さんの『黒いピラミッド』の冒頭のあらすじや感想について書いています。

この作品は、
今回で最後となる第25回日本ホラー小説大賞 大賞受賞作の一つで、
この本の作者である福士俊哉さんはこの作品が初めての小説なのだそうです。

そういうわけで、
福士さんについてはまったく存じ上げなかったのですが、
この本のオビを見て、
ジャケ買いならぬ、オビ買いしてしまいました。

この3人の名前を出して、驚嘆!
とか書かれると
買わざるを得ない気持ちになってしまいました(笑)
角川さんの戦略お見事!

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『黒いピラミッド』冒頭のあらすじ

聖東大学のエジプト考古学の専任講師をしている日下美羽が
大学の古代エジプト資料室で資料整理をしていると、
どん、と大きな音が聞こえた。

廊下に出ると誰かが倒れていて、
研究室もめちゃめちゃ。
血だらけの人が転がっている。

美羽が研究室の奥の部屋へ向かうと、
そこにはアヌビス神のマスクを被った元同僚がいて、

…アンクだ、アンクのせいなんだ……あのアンクは呪われている……

*アンク…十字架の上部が円になっているような形状で、表紙のイラストに描かれているもの

ほら、黒いピラミッドが見える…あのアンクは呪われているんだ………

と言う。

アンクの呪いとは?
黒いピラミッドとは?

やがて美羽の元へも、その力が及びはじめる。

呪いをとくため、
謎を明かすため、
美羽はアンクの発見された場所を目指し、
エジプトへ向かう!

『黒いピラミッド』感想

ここからは感想を書いています。

ネタバレなしバージョンと、ネタバレありバーションがあるので、
まだ読んでいない方はご注意ください!

『黒いピラミッド』感想(ネタバレなし)

読み進めるほど面白くなる物語で、
舞台がエジプトになってからは
ホラー・ミステリー・冒険・古代エジプトのすべてが同時に楽しめます。

後半になるにつれて目を離せないような展開が続き、
気づいたら読み終わっていたというくらいの一気読みをしてしまいました。

黒いピラミッドの謎や、
アンクが呪われている理由についての答えも独創的で、
まず予想できる人はいないと思います(笑)

現実離れしているのに、
作者が古代エジプトの専門家なだけあって、
リアリティのある描写が続き
違和感なく物語の世界に引き込まれました。

ホラー・ミステリー・冒険・古代エジプトという言葉を見て、
そわそわしてしまう人
にはぜひ読んでみてほしい作品です。

もう一つの第25回日本ホラー小説大賞 大賞受賞作

第25回日本ホラー小説大賞の大賞と読者賞をダブル受賞した作品です。

 

⇩この下の感想、ネタバレありなので注意してください⇩

 

『黒いピラミッド』感想(ネタバレあり)

全体を通して、
物語のテンポが小気味よく、
とくに、第三章 ピラミッド・エリアからが面白かったです!

ここから美羽の冒険が始まるのですが、
エジプト(古代エジプト含む)に少々興味があるため、
冒険の様子も楽しいし、
ところどころで出てくる古代エジプトの情報も面白かったです。

古代エジプトの専門の方が書かれているだけあって、
情報がわかりやすく、
また冗長にはなっていないので、
物語を読み進めるときに邪魔にならないので、
一気に読んでしまうんですよね。

グールの遺跡についてからはもう目を離せなかったです。

だんだんとそこが
知られざる幻の遺跡だとわかってきたときのワクワク感と、
黒いピラミッドまで辿りついたときのぞくっとする感じ、
そしてアメミットの登場。

すでに大興奮なのに、
ピラミッドの内部に入り神々と対面する場面はもう、もう!

しかも神々が生きているという設定が面白すぎました。

この辺りのお話が面白すぎたせいか、
アンクを返し、遺跡を脱出したところでお話を終えてもよかったのでは?
と少し思いました。

とはいえ、
ホラー・ミステリー・冒険・古代エジプト
こんなにバランスよく楽しませてくれるお話なんてなかなかないですし、
この本に出会えてよかったです!

最後までお読みいただきありがとうございました。

楓*

楓*

主婦 兼 校正者

東海地方に住む主婦で校正者の楓*です。
記録しておきたい日々の出来事や思い出、整理しておきたことなどをブログに綴っています。
旅・山・自然が大好きで、趣味は読書と映画・ドラマ鑑賞です。

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