五十嵐律人さんの『法廷遊戯』を読みました。
本屋で平積みされているのを見かけてから気になってはいたのですが、先日図書館の本棚で見つけてすかさず借りました。
リーガルミステリー、という分野があるのかよく知らないけれど、法廷(模擬を含む)が舞台の物語です。
法廷遊戯|基本情報
法廷遊戯|あらすじ
第62回メフィスト賞受賞作!
法律家を志した三人の若者。 一人は弁護士になり、一人は被告人になり、一人は命を失った──謎だけを残して。
法曹の道を目指してロースクールに通う、 久我清義(くがきよよし)と織本美鈴(おりもとみれい)。二人の“過去”を告発する差出人不明の手紙をきっかけに、 彼らの周辺で不可解な事件が続く。清義が相談を持ち掛けたのは、異端の天才ロースクール生・結城馨(ゆうきかおる)。真相を追う三人だったが、それぞれの道は思わぬ方向に分岐して──?
法廷遊戯 公式サイト|講談社
法廷遊戯|作者
五十嵐律人
1990年岩手県生まれ。東北大学法学部卒業。
司法試験合格。『法廷遊戯』で第62回メフィスト賞を受賞し、デビュー。
法廷遊戯 公式サイト|講談社
法廷遊戯|感想
久しぶりにミステリーを読んだのですが、面白いミステリーはちょっと読み進めるだけでも物語に引き込まれリフレッシュできるのでいいですね。
前半は主に法科大学院の模擬法廷、後半は実際の法廷でそれぞれ謎や事件の真相に迫っていくのですが、前半で学生たちによって模擬法廷で行われていた無辜ゲームが、まさか後半にこんな形でつながるとは思わず、ストーリーの独自性に驚きました。
作者が司法試験合格者だそうで、法規や刑罰やその問題点をよく知っているからこそ思いつく複雑な真相でした。
リーガルミステリーの面白さと、社会的に追い詰められた者たちが犯した罪の、何ともいえない悲しみ。
罪を重ねて生き続ける者、罪はないのに死んでしまった者。
ミステリー自体は面白いけれど、登場人物一人ひとりにスポットライトを当てると、これはハードな物語だと思いました。
でもそんなお話を法律に疎い私のような人にまで夢中で読ませてしまうなんてすごい。
さすが、メフィスト賞受賞作だなと改めて思いました。
二作目もいずれ読みたいと思います。
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