『月の影 影の海』(下)小野不由美|運命に翻弄されながらも成長していく少女の姿に心打たれる

9 min
『月の影 影の海』

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こんにちは、楓*(@kaede_twi)です♪

この記事では、小野不由美さんの十二国記『月の影 影の海』(下)についてご紹介しています。

あらすじやポイント、『月の影 影の海』(下)をより読みやすく、より楽しめるように、時代設定と関連作品、 登場キャラクター、用語、地名、設定のポイントなどをまとめています。

(上)に続いての記事になります。(上)の方はこちら↓の記事をごらんください♪

著者の小野不由美さんについてもこちらの記事に載っています。

『月の影 影の海』(下)作品の情報

公式サイトの情報をまとめています。

公式サイトの情報

読み仮名ツキノカゲカゲノウミ2ジュウニコクキ
シリーズ名新潮文庫
発行形態文庫
定価572円
公式サイト小野不由美『月の影 影の海〔下〕 十二国記』|新潮社

シリーズ作品紹介|小野不由美「十二国記」新潮社公式サイト

twitter@12koku_shincho
Wikipedia十二国記「月の影 影の海」

公式サイトでの作品紹介はこんな感じでした。

「わたしは、必ず、生きて帰る」──流れ着いた巧国(こうこく)で、容赦なく襲い来る妖魔を相手に、戦い続ける陽子。度重なる裏切りで傷ついた心を救ったのは、〈半獣〉楽俊(らくしゅん)との出会いだった。陽子が故国へ戻る手掛かりを求めて、雁国(えんこく)の王を訪ねた二人に、過酷な運命を担う真相が明かされる。全ては、途轍(とてつ)もない「決断」への幕開けに過ぎなかった!

引用:小野不由美『月の影 影の海〔下〕 十二国記』|新潮社

必ず、生きて帰る――。

裏切られ、苦難と闘ってきた陽子は、ようやく信じられる友に出会った。しかし、安堵も束の間、途轍もない「決断」を迫られる……。運命に翻弄されながら成長する、少女の気高さが胸を打つ衝撃の物語。

引用:シリーズ作品紹介|小野不由美「十二国記」新潮社公式サイト

『月の影 影の海』(下)のあらすじやポイント

ここから『月の影 影の海』(下)のポイントとなる人や事柄についてピックアップし、もう少し詳しいあらすじを紹介しています。

楽俊との出会い

雨の中、倒れている陽子のもとに現れた一匹のネズミのような獣。

半獣の彼、楽俊との出会いが陽子の運命を変える

楽俊は陽子に雁国に行くべきだと助言。

こちらの世界に連れてこられて以来、自分がどこにいて、どこへ向かうべきなのかわからなかった陽子に初めて目的地が定まる

しかし、これまでの旅で同じ海客でさえ陽子を裏切り、もはやこの世界に自分の味方はいないのだと自分に言い聞かせている陽子は、楽俊をどこまで信じていいのかわからない

しかし、二人の雁国を目指す旅が始まる。

自分が何者であるかを知る陽子

これまでの旅の中で、妖魔に襲撃されるたびに幾度となく感じたこと。

身内で血潮が沸騰して、荒れ狂う海の音がする。
ーー獣だ。
ーーわたしは、間違いなく妖魔だ。

あちらの世界からこちらの世界に移動できるのは神か妖なのだという。

それならば自分はきっと……。

しかし、陽子をつれてきた人物がタイホと呼ばれていたことを楽俊に話すと、事態は急変する。

タイホと呼ばれる者はその国で一人だけ。

ついにケイキが何者なのかが明らかになり、陽子がこちらの世界に連れてこられた理由にたどり着く。

ケイキ奪還

雁国の王と麒麟に出会い、改めて自分のこの世界での役割を知る陽子

その役割に戸惑う陽子だったが、行方のわからなかったケイキが囚われていることを知る。

陽子がその役割を引き受けるにしろ、蓬莱に帰るにしろ、
ケイキを取り戻すことはやってほしいと言われ、陽子はケイキ奪還を決意する。

陽子の迷い

自分の役割に迷い続ける陽子。

「卑屈になってるんじゃない。根拠のない不信なら卑屈と言われても仕方ないけど、わたしの不信には根拠がないわけじゃない。わたしはこちらで、たくさんのことを学んだ。その最たるものが、平たく言えば、わたしは莫迦だということだ」

そんな陽子に楽俊は言う。

「陽子は怖いんだ」

素直に認める陽子に、楽俊は早くケイキを取り戻しに行くように言う。

陽子の役割とケイキの役割、それは足したらちょうど良くなるもので、陽子だけでもケイキだけでも足りないのだからと。

それは陽子一人が引き受けることではないのだと。

迷い続ける陽子は、無事にケイキを奪還し、その役割を引き受けるのか?

『月の影 影の海』(下)を読みやすく

『月の影 影の海』(下)をより読みやすく、より楽しめるように、時代設定と関連作品、 登場キャラクター、用語、地名、設定のポイントなどをまとめています。

時代設定と関連作品

  • 現代
  • Episode4『風の万里 黎明の空』へとつながっていく

舞台

  • 蓬莱(日本)
  • 巧国
  • 雁国

登場キャラクター

中嶋陽子(なかじま・ようこ)

温和しく優等生の少女。その日々は、見知らぬ異界へと辿り着き一変する。長く険しい旅で多くの人に裏切られ、苦しみを体験していくことに……。

ケイキ

金色の髪の男。陽子の通う高校に現れ、彼女を連れ去るが、その後、忽こつ然ぜんと姿を消してしまう。陽子を迎えに来た目的は、彼が担う役割とは、いったい何なのか。

楽俊(らくしゅん)

ケイキとはぐれ、行き倒れとなった陽子を救う、ネズミの姿をした半獣の青年。向学心が高く、役人を目指している。名前は張正、字(あざな)は楽俊

参照:シリーズ作品紹介|小野不由美「十二国記」新潮社公式サイト

ケイキの下僕

ヒョウキ:暗赤色の毛並みの豹のような獣

カイコ:腕は鳥の翼、羽毛に覆われた脚は人、長い尾を持つ女

ハンキョ:  銅色の毛並みをした大型犬に似た獣

ジュウサク:狒狒に似た獣

ジョウユウ:賓満(ひんまん)。赤い眼。首の下に身体がなく半透明のゼリー状のものが纏いついている

各国の人々

巧国

達姐(たっき):五曾で出会った碧眼の中年女性

松山誠三:海客の老人

山で会った母娘:飴売りの行商。娘の名はギョクヨウ

楽俊の母:中年の女性、人間

雁国

壁落人(へきらくじん):雁国にいる海客、庠序の先生

延王(えんおう):雁国の王、治世500年ほど

延麒(えんき):雁国の麒麟。名前を六太

巧国

塙王(こうおう):巧国の王、治世50年ほど

慶国

予王(よおう):前景女王、本名舒覚(じょかく)、治世6年ほど

舒栄(じょえい):予王の妹

奏国

宗王(そうおう):奏国の王、十二国のなかで最も治世が長く、治世600年近く

妖魔

蠱雕(コチョウ):巨鳥。茶色い翼に毒々しい色合いの曲がった嘴、角と太く鋭い鉤爪を持つ。

ゴウユ:猪に似た獣

バフク:人の顔を持つ巨大な虎のような獣

賓満(ひんまん):戦場や軍隊に出る妖魔

キンゲン:鳥の妖魔。尾に毒がある

騎獣

天馬:宙を駆ける獣

吉量(きつりょう):白い縞のある赤い鬣の宙を駆ける馬のような獣

用語

胎果(たいか):十二国ではない場所での生まれ、蝕により流される

宰輔(さいほ):王の補佐をする相談役のようなもの

里木(りぼく):子どものなる木

卵果(らんか):里木になる。黄色い実で中に子どもが入っている

半獣(はんじゅう):半分獣の人

正丁(せいてい):青年男子

上庠(じょうしょう):郡の学校

少学(しょうがく):州の学校

公地(こうち):国からもらう土地

自地:国に許可を得て開墾した土地

地綱(ちこう):王が制定する法律

施与綱(せよこう):天が王に与えた国を治める決まり。天綱(てんこう)、太綱(たいこう)ともいう

堯帝(ぎょうてい)、禹帝(うてい)、黄帝(こうてい):人々が祀っている神

庠序(しょうじょ):序学のあとに進む学校の一つ

序学(じょがく):県の学校

庠学(しょうがく):郷の学校

台輔(たいほ):宰輔のこと、一種の尊称。州候でもある

麒麟(きりん):最高位の霊獣。台輔。毛並みは雌黄、背が五色、鬣は金が多い。黒麒は珍しい

野木(やぼく):草や木がなるものと、獣があんるものがある

里祠(りし):里木が祀られている場所

水禺刀(すいとうぐう):慶国秘蔵の宝重

偽王(ぎおう):麒麟の選定なしに王を名乗ること

雲海:空の上にある海

王師:王の軍

失道(しつどう):王が道を誤り、天命を失い麒麟が病むこと

泰果:戴国の麒麟の卵果

州候師:州候の軍

地図と地名

地図

地名

鹿北(ろくほく):淳州安陽県鹿北(じゅんしゅうあんようけんろくほく)、楽俊の家がある場所

寧州(ねいしゅう):淳州の隣の州

北梁県(ほくりょうけん):淳州にある

阿岸(あがん):淳州にある、青海に面している港街

青海(せいかい):内海

雁国(えんこく):青海の対岸にある国

郭洛(かくらく)

喜州傲霜(ぎしゅうごうそう):巧国の王宮のある地

翠葟宮(すいこうきゅう):巧国の王宮

傲霜山:頂上に翠葟宮がある

午寮(ごりょう):淳州にある

浮濠(ふごう):阿岸の北にある島

烏号(うごう):貞州白郡首陽郷烏号(ていしゅうはくぐんしゅようごううごう)、巧国の対岸にある雁国の街

関弓(かんきゅう):雁国の王宮のある地

芳陵(ほうりょう):郷城がある

玄英宮(げんえいきゅう):雁国の王宮

靖州(せいしゅう):関弓のある州

容昌(ようしょう)

関弓山:頂上に玄英宮がある

征州(せいしゅう)

麦州(ばくしゅう)

瑛州(えいしゅう):堯天のある州

堯天(ぎょうてん):慶国の王宮のある地

金波宮(きんぱきゅう):慶国の王宮

維龍(いりゅう):征州の州都

設定のポイント

  • 人はあちらとこちらの世界を行き来することはできず、妖族と神仙だけができると言われている
  • 有名な胎果は、雁国延王延宰輔(えんさいほ)、戴国泰宰輔(たいこくたいさいほ)
  • 泰宰輔は亡くなったと言われている、泰王は行方不明
  • 州→郡→郷→県
  • 巧国では半獣は半人前扱い、雁国では正丁と認められる
  • 王は人ではなく神。妖魔を治めて怪異を鎮め、災異から国を守る。麒麟が死ねば王が死ぬ
  • 台輔は宰輔であり、首都の州候でもある
  • 子どもが欲しくなった夫婦は里木のある里祠にやってきて枝に帯を結ぶ。天帝がそれを聞き届けると枝に実がなり、十月で熟す。親がもぎに行くと落ち、一晩のちに実が割れる
  • 王をともなう蝕は大災害になる
  • 麒麟は成獣すると成長が止まる
  • 麒麟は妖魔と契約を交わし服従させ使役する。代わりに妖魔は麒麟が死んだあとその死体を喰っていい

十二国記の世界の設定(地形・伝説)

崇山(すうさん):崇高(すうこう)、中岳(ちゅうがく)、中山(ちゅうざん)とも呼ばれる。世界の中心にある山

東岳(とうがく):東山(とうざん)、蓬山(ほうざん)、とも呼ばれる。崇山の東にある山。昔は泰山(たいざん)といったが、戴国の王が名字を代から泰に改めたので蓬山と呼ばれるようになった

華山(かざん):崇山の西にある山

霍山(かくざん):崇山の南にある山

恒山(こうざん):崇山の北にある山

五山(ござん):崇山、蓬山、華山、霍山、恒山のこと

黄海(こうかい):五山の周囲にある岩山、砂漠、沼地、樹海の地

四金剛山(しこんごうざん):黄海の周囲を東西南北に取り巻く金剛山、金剛山の内側は人の住む場所ではない

四大国:慶東国(けいとうこく)、奏南国(そうなんこく)、範西国(はんせいこく)、柳北国(りゅうほっこく)

四州国:雁州国(えんしゅうこく)、恭州国(きょうしゅうこく)、才州国(さいしゅうこく)、巧州国(こうしゅうこく)

四極国:戴極国(たいきょくこく)、舜極国(しゅんきょくこく)、芳極国(ほうきょくこく)、漣極国(れんきょくこく)

蓬莱国(ほうらいこく):倭(わ)、陽子にははじめ日本と聞こえた。虚海の東の果てにある伝説の国

崑崙(こんろん):金剛山のどこかにあると言われる丘、漢(陽子にははじめ中国と聞こえた)から山客(さんきゃく)がやってくる

「天帝は九州四夷(しい)、併せて十三州を滅ぼし、五人の神と十二人の人とを残してすべてを卵に返したそうだ。その中央に五山を作り、西王母(せいおうぼ)を主に据え、五山を取り巻く一州を黄海へと変じ、五人の神を龍王として五海の王に封じたとか」

「天は王に枝を渡した。三つの実は土地と国と玉座を示す。土地は地籍と戸籍のことだ。国は律と法のことだ。そして玉座は王の徳目である仁道、ーーすなわち麒麟を意味する」

「これだけは覚えておけ。王には決して犯してはならぬ罪が三つある。一つは、天命に逆らって仁道に悖ること、いま一つは天命を容れずに自ら死を選ぶこと。そうして最後の一つが、たとえ内乱を治める為であろうと、他国に侵入すること」

『月の影 影の海』(下)感想・考察

『月の影 影の海』(下)の感想や考察をネタバレありで自由に綴ります。

キーパーソン、楽俊

この人なくして陽子が王になることはなかったのではというくらいのキーパーソン、楽俊が登場しました。

前半の度重なる裏切りにより、すっかり人間不信に陥っている陽子は、もはやこの世界に自分の味方はいないのだと自分に言い聞かせるようになります。

しかし、愛らしい外見のネズミはとても親切で、陽子を看病するだけでなく、陽子が進むべき道まで教えてくれます。

迷いながらもともに旅をする陽子でしたが、妖魔の襲撃により究極の選択を迫られることになります。

そして辛うじて踏みとどまったことで、ある結論にたどり着きます。

陽子自身が人を信じることと、人が陽子を裏切ることは何の関係もないはずだ。陽子自身が優しいことと他者が陽子に優しいことは、何の関係もないはずなのに。

「……強くなりたい……」

これまでの旅で出会った陽子を騙した人たちと、陽子に親切な楽俊。
そんな楽俊を、他の人にそうされたからといって裏切っていい理由にはならない

陽子、ひと回り大きくなった感じがしますね〜!

陽子の導き出した答え、ちょっとアドラー心理学を彷彿とさせますね。

また、雁国での楽俊の発言からもこの物語を通して著者が読者に気づいてほしいメッセージがあるように思います。

「そんなのおいらの勝手だ。おいらは陽子に信じてもらいたかった。だから信じてもらえりゃ嬉しいし、信じてもらえなかったら寂しい。それはおいらの問題。おいらを信じるのも信じないのも陽子の勝手だ。おいらを信じて陽子は得をするかもしれねえし、損をするかもしれねえ。けどそれは陽子の問題だな」

陽子が連れてこられた理由が明らかに

ケイキ=景麒であることが判明し、とうとう陽子がこちらの世界に連れてこられた理由が明らかになりました。

本人は自分は妖魔だと確信していましたが、なんと神に属する慶国の王でした!
襲撃のたびに、身の内の血潮が騒いでいたようですが、あれは冗祐が憑いていたからでしょうか? それとも水禺刀の影響でしょうか?

それにしても、何がなんだかわからぬまま学校の廊下で跪かれたアレにより、すでに王になっていたというのは、景麒のヤバさがよくわかる……、いくら非常事態とはいえその説明を省略するの凄くないですか?(笑)

わたし、景麒も大好きなキャラクターの一人なのですが、本当にやっかいな人物だなと思います(笑)

ケイキが現れなかったわけ、陽子が襲われたわけ

こちらの世界に陽子を連れてきて以来姿を見せなかった景麒でしたが、義王・舒覚に囚われていたことが判明しました。

その舒覚の後ろ盾となっていたのが塙王、そして彼に命じられ妖魔に陽子を襲わせていた塙麟という構図が明らかに。

黒幕は塙王だったのですね。
そして水禺刀で見た過去より、彼が陽子を狙い続けた理由も明らかになりました。

雁と奏という大国に囲まれ、胎果という存在を恐れ……、隣国の慶が巧よりも発展することを恐れ……それらの恐れが天命を背くほどの愚かな行動を彼に選ばせ、胎果の王となる陽子を玉座に着かせぬよう働きかけた……。

悲しい動機ですね。人と比べだしたらキリがないのに……。
塙麟という自分の半身であるパートナーの話をもっと聞いてほしかったです。

陽子の覚悟と物語のはじまり

蓬莱に戻ることを目標としてきた陽子に、自分が王であるという事実が突きつけられます。

これまでの旅でイヤというほど自分の弱さを見てきた陽子は、なかなかその役割を引き受けることができない。

これからやっとましな人間になろうと思っていたところで突然王だとか、民だだとか言われても受け止めきれないですよね〜。

しかもここまでに陽子は、予王、舒覚、塙王と道を誤った王や義王を見てきた。

そんなに陽子にやっぱり楽俊がいいこと言うんですよね!

「もっと自分を信じてやれ。五年あとに王の器になれるなら、いまから王でもいいじゃないねえか。ここで竦む必要がどこにある?」

「景麒はもうお前を王に選んでるんだぞ。いまこの地上に陽子以上に景王に向いた人間はいねえ。天意は民意だ。いまこの地上に、陽子以上に慶国の民を幸せにできる王はいねえってことなんだ。もっと呑んで掛かっちゃどうだ。慶国の民はお前のものだ。お前が慶国のものであるのとおんなじにな」

「ましな人間になりたいんだったら、玉座に就いて、ましな王になれ。それがひいては、ましな人間になるってことなんじゃねえのかい。王の責任はお確かに重い。いいじゃねぇか。重い責任で締め上げられりゃ、さっさとましな人間になれるさ」

陽子の迷いに真摯に、対等に、丁寧に向き合ってくれる楽俊。めちゃくちゃいい人(ネズミ)ですよね〜。

延麒、延王はここまでは陽子の内面に踏み込んでこないところがあるので、陽子だけで考えるとどうも自信がなくそれまでの自分に囚われているような感じがするのですが、楽俊が的確にガイドしてくれるのがいいです。

このときは景麒もそばにいなかったのでいっそう楽俊の役割は大きかったですね。

そして無事に景麒奪還

「御前を離れず、詔命に背かず、忠誠を誓うと、誓約申し上げる」

もう一度、今度はその意味を理解したうえで、二人は主従となり半身を得、陽子のこちらの世界での物語がはじまり、「月の影 影の海」のエピソードが終わりました!

(上)のつらすぎる展開にくらべ、最後の方に怒涛の素晴らしい出会い・言葉・展開があるので、なんとか(上)ではこらえて最後まで読んでほしいエピソードです。

これを頑張って読み終えた人は、きっと最新エピソード『白銀の墟 玄の月』(全四巻)だって楽しんで耐えられる(笑)と思います!

※完全なネタバレにつながるので念のため登場キャラクター紹介から外しました。

景麒:慶国の麒麟

小松尚隆(こまつなおたか/しょうりゅう):延王

金髪の女:二十代半ばの女性。巧国の麒麟、塙麟(こうりん)だった

蒼猿(あおざる):薄蒼い燐光を放つ猿。水禺刀の鞘だった

オウム:金髪の女とともにいる色鮮やかなオウム。塙王だった

最後までお読みいただきありがとうございました!

楓*

楓*

主婦 兼 校正者

東海地方に住む主婦で校正者の楓*です。
記録しておきたい日々の出来事や思い出、整理しておきたことなどをブログに綴っています。
旅・山・自然が大好きで、趣味は読書と映画・ドラマ鑑賞です。

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