全国を約2年かけて巡回する「ムーミン展」が名古屋に回ってきました。
誰もが知っている、時代が変わっても愛されているムーミンですが、
身近な存在すぎて実は著者のことや原作の制作にまつわるエピソードなど、
あまり多くは知らないなと思い興味を持ったので私も行ってみることにしました。
もともとイラストの原画を観るのが好きなこともあって、とても愉しい鑑賞となりました♪
目次
ムーミン展の感想
北欧関連の展示の一部として当時の作品を少し見たことはあったものの、ムーミンの原画をこんなにたくさん観たことははじめてでした。
今回の展示物のメインはムーミンの原画です。
「ムーミン」という物語に添えられた、一つひとつの挿絵の完成品であったり、スケッチであったり、途中段階のものであったりをじっくりみることができます。
挿絵なので小さな作品が多いのですが、ペンを使って細かく描かれたイラストや、微妙な淡い色合いで色付けされた作品は、朧げな雰囲気があったり、ユニークだったり、少し不気味な感じがしたりと表情が豊かで、可愛いだけではないムーミンの世界が広がっていました。
細い線でシンプルに描かれたイラストなのに、それぞれのキャラクターの個性が線からにじみ出ていて面白かったです。
不安定なキャラクターは何も説明してなくても不安定な佇まいをしているし、ムーミンママはいつだって落ち着いている。
また、初期の頃からと後半の作品でムーミンのシルエットも変わっていき、だんだんと可愛く丸いシルエットになっていくのですが、初期のムーミンも味があってユーモラスで私は好きです。
初期のムーミンはムーミントロールという生き物に近いのですよね。
またこの「ムーミン」は第二次世界大戦中に描かれはじめたことも興味深いです。
フィンランドも第二次世界大戦でソ連に侵攻され空爆なども受けていますから、作品を制作する上で影響しないわけがありません。
著者のトーベ・ヤンソンさんは、「ムーミン」以外のも様々な仕事ししているのですが、その中でもスウェーデン語系風刺雑誌の『ガルム』などに戦争にまつわる風刺画を描いていたりして、決して戦争と自分を切り離していたような人物ではなかったようです。
この風刺画が重たい風刺から軽い風刺までなかなかおもしろいのでぜひ観てほしいです。
ところでムーミンって、小説、絵本、アニメの印象が大きかったのですが、舞台やオペラもあったんですね。
よくやろうと思ったな⁉と驚いてしまったのですが、舞台美術画とかもあって興味深かったです。
また、日本とのつながりも取り上げられていて、日本に仕事で来日した際の写真であったり、箱根富士屋ホテルや千代田区・山の上ホテルに滞在した際の手紙などもありました。
それからさまざまな日本の浮世絵と、共通点を感じさせるイラストが並べて飾られていました。
実際に参考にしたのかは私にはわかりませんが、確かに日本人がいいなと思ったものと同じ雰囲気をいいなと感じているのだろうなという感覚の近さを感じました。
ちなみにかつて日本で制作されたアニメは本国へも逆輸入され人気だったそうです。
「ムーミン」の世界を挿絵を観ながら細かく観察できたり、作品が生まれた経緯や裏側、作者の人物像についてなど「ムーミン」の世界を作り出したものを、さまざまな観点から知ることができる「ムーミン」の原作のファンにはたまらない展示でした!
ムーミン展 情報
会場に行く前に公式Twitterで様子を確認しておくと何かと便利かもしれません。
ムーミン公式サイトにて、現在 #松坂屋美術館 (名古屋)で開催中の #ムーミン展 の様子が紹介されました🥰
2020年1月19日(日)まで開催中!ぜひお越し下さい♪記事はこちらをチェックしてね👍https://t.co/y7WrbsvFrM
— ムーミン展 THE ART AND THE STORY 【公式】 (@moomin_art) December 13, 2019
ムーミン展 チケット料金
一般1,300円、高・大学生1,000円、小・中学生700円
お団子ヘア割引(200円引き)がありますよ!
髪の短い方はお団子頭的に見えればOKだそうです(笑)
ムーミン展 所要時間
私の場合はですが、並ばなかったことと鑑賞中もスムーズに移動できたこともあって、説明を読みながらゆっくりと観て1時間強といったところ。
グッズを購入しても1時間半かからなかったです。
ムーミン展 名古屋会場の混雑状況
名古屋会場では、平日の金曜の夜(18〜19時)に訪れたところ、目立った混雑はありませんでした。
チケット売り場で並ぶこともなく、会場内は人がいますが、タイミングをずらせば一人で1枚の絵を楽しめる余裕がありました。
挿絵を中心とした小さな原画が多いのでできれるだけ空いている状態で観たほうが楽しめると思います!
入り口のフォトスポット。
人がいないので撮りやすかったです(笑)
ムーミン展 グッズ
会場限定グッズ
- ムーミンのスノードーム
- リトルミィのぬいぐるみ
- オリジナルブレンドのハーブティ
- マスキングテープ
- フック型ふせん
- ボタニカルペン
- カプセルトイ“ミニチュア食器コレクション”
カプセルトイ“ミニチュア食器コレクション”はガチャガチャのことです。
挑戦している人を結構見かけました。
ハガキやファイルといった定番のものからぬいぐるみやお菓子、本までいろいろあり、私はハガキを購入しました。
本はいろいろなバーションのものを扱っていたのですが、中でも講談社のムーミン全集の新版が気になりました。
表紙が初版の装丁に近くて素敵。
文庫の新版も可愛いかったです。
ムーミン展 会場
各会場の情報です。
名古屋会場
会期 2019年12月7日(土)~2020年1月19日(日)
開館時間 10:00-19:30
※2019年12月31日と最終日2020年1月19日は18時閉館
※入館は閉館の30分前まで
※2020年1月1日(水・祝)は休館日
会場 松坂屋美術館(南館7F)
〒460-8430 名古屋市中区栄三丁目16番1号
松坂屋美術館はヨドバシカメラの上の階にあります。
今後の会場
- 岩手県立美術館 2020.4.11(土)〜5.31(日)
- 大阪・あべのハルカス美術館 2020.7.4(土)〜8.30(日)
- 札幌芸術の森美術館 2020.9.12(土)〜11.3(火・祝)
- 熊本市現代美術館 2020.11.14(土)〜2021.1.11(月・祝)
- 静岡県立美術館 2021.1.23(土)〜3.14(日)
最後までお読みいただきありがとうございました。