10月中旬のお天気の日曜日、
鈴鹿山脈のなかでも聖域、神域と言われたりすることもある
お金明神とコリカキ場に行ってきました。
その名称からして謎めいていて、なかなかの秘境。
日帰りながらもさすが鈴鹿と言いたくなるような濃ゆい登山となりました。
実はもともとこの登山の計画は、
夫がテンカラ(釣り)をしたい場所があると言い出して決まったルートで、
この辺りでどうやらアマゴなどが釣れるらしいという情報を得たのだそうな。
初心者だけで行くことなかれって感じの
踏み跡あったりなかったりのルートを写真とともにレポートします!
ちなみに
なかなかハードなコースなのですがピークを一つも踏んでいません!笑
目次
基本データ
まずは登山に必要なアクセス・ルート・スケジュールを確認♪
アクセス
朝明渓谷から出発します。
駐車場 あり(500円)/トイレ あり
普段の週末では、たいていここに停められるのですが、
GWなど人が多いときは手前の三休の湯に下にある駐車場を案内されます。
ちなみに、 三休の湯はお風呂とカフェのお店で土・日・祝日に営業しています。
登山の帰りにちょっと立ち寄るのにぴったりな場所です。
ルート
お金明神やコリカキ場へのルートの一部は、
バリエーションルートのためエアリアマップにのっていません。
途中踏み跡がない箇所もあるので必ずGPSを使用してください。
*手動でマッピングしたのでおおよそです。
ヒロサワ出合まではメジャールートのためエアリアマップに載っています。
何かあったときに必要になるかもしれませんので、
エアリアマップも必ず持っていきましょう!
このルートでは途中、川を渡るのですが、
今回は水量が多く渡渉することになりました。
渡る場所を選べばスポーツサンダルでも問題ないのでお忘れなく!
スケジュール
7:30開始、17:00終了の9時間30分行動です。
やりすぎです!笑
目的地のコリカキ場までおよそ4時間半かかっているのですが、
川で魚影を見つけてはテンカラ釣りをした影響です。
地図で見ると休憩込みで3時間半位でしょうか。
ヒロサワ出合以降がなかなかハードで、
渡渉したり、踏み跡がなかったり、登りづらかったりと難所があるので、
遊びもほどほどにしてコリカキ場を目指すことをおすすめします!
朝明渓谷駐車場 7:30
↓
伊勢谷小屋 7:40
↓
ハト峰峠 9:00
↓
ヒロ沢出合 10:15
↓
お金出合 11:00
↓
お金峠 11:30
↓
コリカキ場 11:50
昼食 11:50〜13:40
お金峠 14:00
↓
お金明神 14:15
↓
お金出合14:30
↓
ヒロ沢出合 15:00
↓
ハト峰峠 16:00
↓
朝明渓谷駐車場 17:00
登山レポート
ここからは写真を中心にルートの様子を紹介していきたいと思います♪
スタート、まずはハト峰峠へ
朝明渓谷から登山をスタート。
日曜の7:30で半分まではいかない位停まっていたかな。
朝明渓谷は水と緑が本当に綺麗です。
登山口までの道。
朝明砂防学習ゾーンの脇を進みます。
苔むしたブロックが印象的。
歩きやすく緩やかなのでお散歩気分。
途中、登録有形文化財の朝明川砂防堰堤を見ることができます。
なんと明治期にオランダ人技師のヨハニス・デ・レーケの指導のもとに築かれたものだそうです。
なわだるみ堰堤は隙間があるのが特長なのだそうです。
明治期に造って今なお活躍してるなんて、
当時の技術すごいですね〜!
なんとなわだるみ堰堤の脇を上がりました。
ロープがあったり、脚をかける場所が結構あるので登りやすいのですが、
滑りやすいのでご注意。
さてこのルート、川の脇を進むことの多いルートなのですが、
夫が常にそわそわしていました。
魚影を探して!
テンカラがしたくて!
そして見つけ次第テンカラスタート!
そもそも今回のルートはテンカラがしたくて選んだので、
思う存分やればいい!って感じで私は見て楽しんでました。
釣りの結果は最後にご報告したいと思います。
ハト峰峠への道はよく整備されているのでとても歩きやすいです。
ちなみに私たちが歩いてきたルートは谷コースと呼ばれています。
湿原を通り、ヒロ沢出合で渡渉
ハト峰峠を越えると急に植生が変わります。
鈴鹿ではありがちなパターンですが本当に不思議。
ハト峰湿原と呼ばれる湿原が広がっています。
この日は水量が多く、
小川のように水が至るところに流れていました。
湿原を抜け、沢沿いを歩きます。
この辺りの沢が驚くほど綺麗です。
でも人がいない。
鹿と鳥の鳴き声がたまに聞こえ、あとは水音が響きます。
隙あらば魚影を探す人。
ヒロ沢出合に到着。
神崎川(愛知川の支流)にぶつかります。
ハト峰湿原でも感じましたが、
この日は水量が多かった。
増水とまではいかないけれど、
どうも岩の上をつたっていくのが難しいのです。
ここで、撤退するか、渡渉するか悩んだのですが……。
念のため持ってきていたサンダルを履くことになるなんて。
沢登りシューズを準備するほどではないということだったので、
スポーツサンダル風のただのサンダルを持っていっていたのです。
これに履き替えて、渡るのが難しそうなら撤退しようという結論に。
浅く流れがゆるい場所を選んで斜めに進みます。
深井ところで膝下くらいまではいったかなと思いますが、
特に危険は感じませんでしたが……冷たい!
例えて言うならかき氷を食べたあとの頭がキーンとなるやつの足バーション。
渡りきった先でしばらく悶絶する感じです 笑
歩き続けて体は温まっているので寒くはなかったですね。
お金峠を越えて目的地のコリカキ場を目指す
渡渉でだいぶ大騒ぎをしたあと、
まずはお金谷出合を目指して歩きます。
苔むした岩だったり、きのこだったり、
面白いものを眺めながら歩きます。
お金谷出合の谷自体はもう少し下にあり、
ここまでは比較的歩きやすい道のりでした。
問題はここから!
わかりやすい踏み跡なし!
だらだらと続く急坂!
この辺りからは、GPSなしで進むことはおすすめしません。
踏み跡があったりなかったりなので、
GPSがないとルートから外れてしまう可能性があると思います。
お金峠までの道の一部。踏み跡なし。
看板からして人が来ることが少なそうな感じを醸し出していますね。
実はこの時点で、
お金峠に行く途中にあるというお金明神をスルーしてしまいました。
結局往きはお金明神の場所がわからないままお金峠に到着。
帰りは無事に寄れたのでお金明神についてはのちほどレポートします。
せっかく登ったお金峠を越えて降りて行きます。
このルート2回目の峠のアップダウン!
踏み跡はありませんが、とにかく降りればOK。
秘境感たっぷり、大冒険です。
降りきると川が見えてきました〜!
コリカキ場到着です!
目的地のコリカキ場に到着、お昼休憩を
とうとうコリカキ場に到着しました!
ところでこのコリカキ場についてちょっと紹介したいと思います。
コリカキ場
コリカキ場は漢字で書くと、垢離掻場となります。
垢離(こり)
水にて身心の罪穢(つみけがれ)を除き清めるための行為。
水垢離(みずごり)、垢離掻(こりかき)などともいう。日本大百科全書(ニッポニカ)の解説より引用
ここはお金明神登拝の禊(みそぎ)の場なのだそうです。
本当に綺麗な川です。
水量が豊かで、川底は明るい緑色。
山の奥深い場所ですが、
開けた場所もあったりと、
キャンプをする人もいるくらいのなかなか快適に過ごせる場所です。
ここに限らず、
どちらかというと山自体が信仰の対象というイメージなので(私にとっての山が)
ここもいつもどおり過ごしていました。
私が行った日は登山口から登山をはじめて一人しかすれ違わず、
しかもハト峰峠前でのことなので、
このあたりに来ると、人の気配はまったくありません。
本当に鈴鹿の奥地、秘境といった場所でした。
さて、ここでお昼休憩としました。
この日はお米を炊いて無印で買ったレトルトカレーと一緒に食べることに。
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メスティンでお米を炊くやり方を覚えると、
山でのお昼ごはんが簡単に満足感のあるものになっていいです!
ご飯を炊きながら読書をしたり。
苔むした岩のバックが『十二国記』にぴったり 笑
ご飯が炊きあがり……
この日はグリーンカレーとバターチキンカレーと一緒に食べました。
食後はコーヒーも。
この日は挽いた豆をもっていってドリップ。
満足したところで帰路につくことにしました。
お金明神を経由して帰路へ
帰路は、大瀞ー中峠を経由して戻るルートもありますが、
基本的には同じルートを戻ることにしました。
往きで思ったより時間を使ってしまったので、
同じルートの方が道をわかっているのでリスクが少ないかと。
そもそもお金明神をスルーしてしまったのでぜひ行きたいなと!
お金峠までは往きの通り戻り、
お金谷出合へ下るのではなくお金峠から見える大きな岩のほうへ歩いてみることに。
まわり込みさらに奥へと進むと、それがお金明神でした。
お金明神
ここでちょっと、お金明神についてご紹介したいと思います。
お金明神は位置的には金山の裏側にあたり、滋賀県神崎郡永源寺町佐目内にあります。
巨大な平たい岩盤が重なった岩塔なのですが、
横から見るとまさに顔のようなのです。
本当に不思議な光景です。
炭焼きに従事していた人、鉄や銅などの鉱山で働いていた人たちが、
危険をともなう山での暮らしのなかで山の守り神として信仰していたようです。
『ここはお金明神の清浄なる神域みだりに汚すべからず』という立て札もありました。
このあとは、往きと同じルートをたどりさくさく戻りました。
10月に入り日暮れも早くなったてきたので往きほどは遊ばずに。
が、17時に戻った頃にはだいたいの人がすでに帰っていました。
10月で17時はけっこう遅めなので、
あと1時間早く下山できるスケジュールのほうがいいと思います!
おわりに
鈴鹿のなかでも奥の奥、かなりマニアックな場所でした。
鈴鹿はメジャールートでさえ場所によっては踏み跡がなかったりするのですが、
このルートのお金谷出合以降はすごかった。
初めてのときの往きは注意しながら進みましょう。
帰りについてはお金明神の位置や川の方へ下ることからわかりやすく感じました。
と、なかなか注意事項のある場所なのですが、
お金明神とコリカキ場ともに山岳信仰に興味のある方にはぜひ行ってみてほしい場所です。
お金明神の横顔は衝撃的ですし、
コリカキ場は澄んだ雰囲気のある静かで美しい場所です。
渡渉などもあるのでタイミングをみつつ、
私もまたいつか行きたいと思います♪
ちなみに夫のテンカラの最大の釣果はこちら。
イワナかな〜という感じだそうでうす。
釣れた場所は秘密にするのがマナーらしいので、
このルートのどこかで釣れたとだけ……笑
最後までお読みいただきありがとうございました。