佐藤究さんの『QJKJQ』を読みました。
『私の家族は全員、猟奇殺人鬼。』、帯のこのコピーにやられました。
絶対過激でヤバイお話だろうなと……!(笑)
QJKJQ|作品紹介
第62回(平成28年)江戸川乱歩賞受賞作です。
女子高生の亜李亜は、猟奇殺人鬼の一家に生まれ、郊外でひっそり暮らしていた。父は血を抜いて殺し、母は撲殺、兄は咬みついて失血させ、亜李亜はナイフで刺し殺す。ところがある日、部屋で兄の惨殺死体を発見する。翌日には母がいなくなり、亜李亜は父に疑いの目を……。第62回江戸川乱歩賞受賞の長編ミステリー。
佐藤究「QJKJQ」特設サイト|講談社文庫
QJKJQ|感想
面白い作品でした!
やっぱり江戸川乱歩賞受賞は伊達じゃない。
何が面白いって、世界の曖昧さと謎の深さですね。
猟奇殺人一家の長女・亜李亜は、ある日家で兄の惨殺したいを見つける。
人殺しだった兄が家で殺された。そして母も消えていた。
もう確実にお父さんが怪しい……とここまではスムーズな流れだったのですが、中盤からどんどん一見単純そうな謎の背後に大きなさらなる謎の姿がチラつき、主人公の身にもコイツ大丈夫なのか?というくらいの身体的な異変が起こる。
そこからの過去へのつながりは予想できなすぎて、ぐいぐい読んでしまいました。
若干、デティールが雑に感じるようなところがままあるのですが、それも主人公がかなり混乱しているなかどうにか生きてきたためという場合もあるし、書かないからこそスピーディに物語が進む映画のような面白さがあるかなと思いました。
お話の舞台が、かなり身近にかつてあった地域だったので、いつもより臨場感をもって読めたせいか、本当に楽しかったです!