こんにちは、楓*(@kaede_twi)です♪
この記事は、私のお気に入りの本『猫は、うれしかったことしか覚えていない』( 幻冬舎、2017)の作品紹介と感想を綴ったものです。
石黒由紀子・文 ミロコマチコ・絵/猫は、うれしかったことしか覚えていない
猫とのなんでもない日々のやりとりの中で、猫から学ぶ猫生(っていうのかな?)のあり方みたいなものが伝わってきて、「ネコ面白いな、ネコすごいな」と思ってしまう。
挿絵とその添えられた一言が好きです。 pic.twitter.com/FgA4PWGQJs
— 楓 * (@kaede_twi) February 19, 2019
東京にある「本とコーヒー tegamisha」というブックカフェで偶然見つけたこの本。
本に掛かった帯の言葉と、カラフルでユニークな猫たちの絵に惹かれて手に取りました。
それからずっと、私のお気に入りの1冊です。
猫は、好きをおさえない
猫は、当たり前に忘れる
猫は、今を噛みしめる
猫は、ときを悟る
猫は、引きずらない
猫は、荷物をもたない
猫は、考える前に動く
猫は、命いっぱい生きている
『猫は、うれしかったことしか覚えていない』( 幻冬舎、2017)帯
『猫は、うれしかったことしか覚えていない』作品紹介
作品の内容や、文を担当された石黒由紀子さん、絵を担当されたミロコマチコさんについてご紹介します。
作品の内容
ありがとう、猫たち。 今を生きることを教えてくれて。 「センパイコウハイ」シリーズのエッセイストと、『ねこまみれ帳』の画家による、くすっと笑えて、しみじみ沁みる、猫のはなし。 【「猫は、うれしかったことしか覚えていない」獣医師から聞いたその言葉は、以後、私の中に生き続けています。猫は、過ぎたことを引きずることなく、うれしかったことだけを積み上げて生きていくのです。(表題エッセイより)】 「センパイコウハイ」シリーズのエッセイスト・石黒由紀子と、『ねこまみれ帳』の画家・ミロコマチコが、文と絵で綴る、可愛くて、くすっと笑えて、しみじみ沁みる、「猫のはなし」。 「猫は、好きをおさえない」「猫は、まっすぐに表す」「猫は、落ち込まない」「猫は、誰かとくらべない」「猫は、考える前に動く」「猫は、命いっぱい生きている」……など、猫が教えてくれる、幸せのコツ。
株式会社 幻冬舎
上の紹介文で
猫が教えてくれる、幸せのコツ
とあるので一瞬自己啓発的な感じなのかな……?という印象をもたれる方がいるかもしれませんが、かなりゆる〜い、動物たちが主役のエッセイです。
石黒さんの家で飼われている猫のコウハイ(名前です)や犬のセンパイ(名前です)との暮らしの中で起きたさまざまな出来事の中から、
「猫ってこうだな」
「猫ってすごいな」
「猫って(おバカだけど笑)学ぶところがあるな」
と感じる猫のなんだかキラキラしてる瞬間を切り取った癒やされるエッセイです。
教えてくれるというよりは、猫が見せてくれた生き物としてのしなやかさ、
みたいな感じの方が私としてはしっくりくるかなと思います。
さまざまなエピソードに出てくる、そのしなやか度合いが本当にすごくて、猫ってやっぱり魅力的でちょっと不思議な生き物だなと感じさせます。
また、魅力的な表紙が目を引く本作ですが、中面の挿絵もかなりいいです!
各エピソードを彷彿とさせるような、こちらはミロコさんの体験をベースにして描いているのかな?という感じの、これまた自由でおかしい猫たちの様子が描かれています。
挿絵の1枚1枚が本当に可愛くておかしくて味があります。
著者紹介
本作のゆるくて温かい文章を担当されているのは、エッセイストの石黒由紀子さん。
犬や猫についてのエッセイをよく執筆されている方で、これまでにも愛犬のセンパイと愛猫のコウハイを描いた作品を発表しています。
動物愛護団体のボランティアなど、動物愛護や保護に関する活動にも参加されているようです。
カラフルでユニークな猫たちの絵を担当されているのは、画家で絵本作家のミロコマチコさん。
2013年に、デビュー作の「オオカミがとぶひ」(イースト・プレス、2012)で第18回日本絵本賞大賞を受賞しています。
ご自身でも猫を飼われていて、猫や動植物がテーマの様々な作品を発表しています。
ほぼ日手帳のブックカバーなども手掛けており、糸井重里さんとのゆるいインタビュー記事のシリーズもミロコさんがどんな方なのか伝わってくる記事でオススメです。
『猫は、うれしかったことしか覚えていない』感想
『猫は、うれしかったことしか覚えていない』は年に一回くらい読み返したくなる本です。
石黒さんや友人たち、ミロコさんのもとにいる猫たちについて読んだり、見たりしていると、そこで描かれている猫たちの飄々とした様子に人間とは対象的なものを感じて、なんだか同じ生き物として勇気づけられるというか。
何ごとにも好奇心を持って臨むこと、失敗しても「それはそれ」と先へ進むこと、正直で媚びず、いつも機嫌がいいこと(寝起き以外)。夢と希望を持ち、それが叶わなかったら明るくあきらめること……。これらは私がコウハイから学んだこと。「過去にとらわれたり先々を思い悩むより、今をしっかり生きよう」、そう思うようになったのもコウハイの純粋さに憧れて。
『猫は、うれしかったことしか覚えていない』( 幻冬舎、2017)
石黒さんが「はじめに」で描かれている言葉、この作品を読んでいるとよくわかります。
人は猫を飼っているけれど、猫と人は対等で、むしろ生き物としては猫の方がうまく生きているような感じすらして面白いです。
人の方が悩むし不器用だし……心の機微がめんどくさいようなところがありますが、猫の容赦のなさや純粋なままの様子に、人間生活に疲れたときによく効く(笑)ような感じがします。
この本のなかで、犬や人やほかの猫に気を使ったり空気を読んでいるような猫のエピソードもあるのですが、人間よりはよっぽどその辺りの選択がさっぱりしていてすごい……
やっぱり猫に学ぶ本なのかもしれないと今、思いました。
癒やされつつ、猫の生き様にちょっぴり学ぶこともできるオススメの本です♪
猫好きの人にはこちらの↓記事もオススメです。
最後までお読みいただきありがとうございました!