アート

フィンランド陶芸 芸術家たちのユートピア/マリメッコ・スピリッツ|岐阜県現代陶芸美術館

フィンランド陶芸 芸術家たちのユートピア/マリメッコ・スピリッツ|岐阜県現代陶芸美術館

岐阜現代陶芸美術館で開催されている、
『フィンランド陶芸 芸術家たちのユートピア』展と、
『マリメッコ・スピリッツ』展に行ってきました。

これまでも北欧をテーマにした企画展にはいくつか行ったことがあったのですが、
陶芸をメインに据えたものではなかったので、
興味が湧いて名古屋から車で40分くらいかけて岐阜県・多治見に行ってきました。

『フィンランド陶芸 芸術家たちのユートピア』展
印象や感想、気になったこと

 

今回の展示はその名の通り
フィンランドの陶芸を体系的に紹介するものです。

フィンランドがロシアの支配下だったころ、
1890年代くらいの作品から紹介されていたようです。

とくに1900年のパリ万国博覧会でフィンランドの美術・陶芸が大きく評価され、
当時ロシアの支配下であったフィンランドの人たちの独立への気運を高めたようです。

フィンランドはロシアの前にはスウェーデンの支配下にあり
工芸品についてもスウェーデンの影響を受けていたころもあったようですが、
時代の潮流に乗るのではなく、
フィンランド独自のものを作り出す方向へ進んだことが
今日の世界的に人気なフィンランドのデザインにまで繋がっているようです。

とりわけアラビア製陶所と美術工芸中央学校を舞台に様々な施策が行われ、
1932年に設立された美術部門では給料をもらいながら作家が自由に創作できる、
まさにユートピアのような環境で、
様々な傑作と呼ばれる作品が生まれたのだそうです。

展示はその時代を代表する、
各時代を代表する作家ごとに紹介されていました。

なかでも気になった人が3名。
ミハエル・シルキンルート・ブリュックビルゲル・カイピアイネンです。

ミハエル・シルキンについてのメモ

Michael Schilkin
1900〜1962年、ロシア生まれ。

1935年から亡くなるまで、アラビア製陶所の芸術部門で働いていたようです。
この方の動物をモチーフとした作品がとても可愛く、私好みでした。

Michael Schilkin ミハエル・シルキン

上の写真の猫とふくろうとラクダが彼の作品です。

デフォルメされたフォルムであったり、
なんともいえない表情がとても好きです。

他にも熊やオオヤマネコや狐をモチーフとした作品があったのですが、
どれも大胆でユーモラスで温かみのある素敵な作品でした。

ルート・ブリュックについてのメモ

RUT BRYK
1916〜1999年、スウェーデン生まれ。

グラフィックデザイナーだったブリュックは、
1942年からアラビア製陶所の美術部門で働き始めます。
陶芸についての知識はなく入所してから身につけたのだそうです。

彼女の作品はおそらく初めて観たと思うのですが、
幻想的な陶板が印象的でした。

RUT BRYK ルート・ブリュック

柔らかく少し渋いような美しい色合いと、
繊細で自由な線。

陶板をこんな風に組み合わせるというのも
おもしろい発想だと思いました。

今回は中サイズくらいの陶板の作品が数点展示されていました。
もっと小さなもの、もっと大きなもの、
彼女のいろいろな作品を観てみたくなりました。

ビルゲル・カイピアイネンについてのメモ

Birger Kaipiainen
1915〜1988年、フィンランド生まれ。

50年以上にわたってアラビア製陶所のデザイナーとして働いた、
フィンランドで最も成功した陶芸家の一人です。

日本でもよく知られているパラティッシをデザインした人物です。

彼の美術品としての作品がとても魅力的でした。
持病の関係であるときから轆轤(ろくろ)を使えなくなった彼は、
陶製のビーズを使った素晴らしい作品を作り上げます。

Birger Kaipiainen ビルゲル・カイピアイネン

ビーズと時計のモチーフを使ったユニークで美しい鳥や
絵とビーズが組み合わさった不思議で雰囲気のある飾皿。

不思議で雰囲気のある飾皿

形にとらわれずに、
自由に自分の作品を模索し表現した人だったのだなと思いました。

『マリメッコ・スピリッツ』展
印象や感想、気になったこと

現在のマリメッコを代表する
3名のアーティストの代表作を中心に展示されています。

『マリメッコ・スピリッツ』展

時間の関係でこちらの展示はさらっと観ました。

『マリメッコ・スピリッツ』展 上から 『マリメッコ・スピリッツ』展 正面から

テキスタイルというよりは一つのアートといった感じですよね。

テキスタイルというよりは一つのアートのよう

特に好きだった柄は動物がたくさん描かれたこのテキスタイル。
よく見るとオオヤマネコがいます。

動物がたくさん描かれたこのテキスタイル
ヤマネコのスケッチスケッチも可愛いです。

日本をテーマにしたものもありました。
マリメッコ・スピリッツ展にためにデザインしたものだそうです。

『苔寺』『苔寺』

『桜の花の雨』『桜の花の雨』

『光の輪』『光の輪』

今回はマリメッコがデザイン監修した茶室もあって
なかなか面白い展示でした。
真里庵だそうです。

真里庵 真里庵 掛け軸 真里庵 内部

真里庵 書意外と日本の文化ととけ合って、
新しいお茶の世界といった感じですかね。
こんな雰囲気の気軽に行ける茶室みたいなカフェがあったらいいのに、
なんて思ってしまいました。

マリメッコの展示は定期的に観ている気がするのですが、
アーティストが豊富なのか、
毎回魅力的な作品に出会えるので楽しいです。

『フィンランド陶芸 芸術家たちのユートピア』展
『マリメッコ・スピリッツ』展
インフォメーション

会期:2018年11月17日(土)〜2019年2月24日(日)

開館時間:10:00〜18:00(入場は閉館30分前まで)

休館日:月曜日(祝日の場合は開館し翌日休館)

観覧料:一般1000円、大学生800円、高校生以下無料など

場所:岐阜県現代陶芸美術館(公式サイト

最後までお読みいただきありがとうございました。