【伊賀焼の窯元・長谷園】土鍋探しと登り窯見学の旅

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【伊賀焼の窯元・長谷園】土鍋探しと登り窯見学の旅

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鍋料理が恋しくなってきた頃、NHK連続テレビ小説「スカーレット」に影響され、信楽に土鍋を探しに行きました。

ところが、ある信楽にあるギャラリーでお話を伺ったところ、土鍋は伊賀焼がオススメだときっぱりと言われました 笑

なんでも、信楽の土鍋は実はクレームが多いのだとか。
その点伊賀焼の土鍋を手がける窯元では、科学的な根拠をもった土鍋を作っているため、機能的で長く使えるものが多いとのこと。

ギャラリーの方は信楽の作品を扱っているのにもかかわらず、行き方まで教えてくださったので、これは「伊賀に行くしかない!」と思いました。

急遽、信楽から伊賀への土鍋探しの旅が始まりました。

伊賀焼きと土鍋

旅とかいいましたが 笑、信楽から伊賀へは車で20分ほど
やきものの本なんかではまとめて紹介されることもある、峠を越えて隣接する産地です。

1200年の歴史がある伊賀焼は、桃山時代に茶陶として発展しました。
その頃の作品は古伊賀と呼ばれています。

遥か400万年前、古琵琶湖の時代に花崗岩が風化し湖底に堆積してできた亜炭等を含む陶土とその周辺に広がる赤松などの燃料となる緑の森が土と炎の芸術、伊賀焼を育んできました。
そして、古伊賀の個性的な意匠や破調の美を生み、また、伊賀の土鍋等に見られる強い耐火性につながっています。

伊賀焼の特徴(伊賀焼振興協同組合公式サイト)より

土自体は信楽と共通しているかつての琵琶湖の土なのですが、この土は粗い粘土質で耐火性に優れているため、土鍋作りが盛んになっていったようです。

伊賀焼振興協同組合公式サイト

伊賀焼窯元長谷園

伊賀焼窯元長谷園【公式】

長谷園(ながたにえん)は1832(天保3)年創業という歴史ある窯元です。

2011年には「登り窯」「大正館」が、2014年には「主屋(母や)」「別荘」などが国の登録有形文化財に指定されました。

記念レリーフの制作も手がけており、東京ドームや横浜国際競技場などに大型の陶壁画が飾られています。

長谷園のすごいところは、歴史があるというだけでなく、現代の需要に沿って進化を遂げているところです。

デザイン性の優れたご飯鍋の「かまどさん」

土鍋電気炊飯器「かまどさん電気」

大きさや用途によって様々な土鍋があり、長谷園の商品は三重ブランドとしても認定されています。

見学レポート

長谷園では土鍋を購入するだけでなく、施設を見学することもできます。

先ほどご紹介した国の登録有形文化財に指定されているものを見学できたり、中で休憩できたりするのでなかなか楽しいです。

私もぷらっと見学させてもらったので写真とともにレポートしていきたいと思います。

特に誰かに許可をとるわけでもなくなんとなく見学が始まります。
通りすがりの窯元の方に会釈されたりはしますが、特に案内されることはありませんでした。
各自適当に見学を始めましょう !笑

まずは登り窯を目指して敷地の奥へ。

長谷園 見学1

長谷園 見学2

長谷園 見学3
様々なやきものが飾られています。
伊賀焼とは思えない面白いオブジェも。

その奥に、創業時から1970年代まで稼動していたという登り窯がありました。

かなり大きく、今でも使えそうなくらい立派なものでした。

長谷園 登り窯1

長谷園 登り窯2

長谷園 登り窯3

16の部屋(窯)を焚き上げるには15〜20日間を要し、この大きさ(16連房)の窯で、現存している登り窯は日本ではこれだけだとか。

登り窯のあとは土鍋を買いにショップへ

第一から第三まである展示室がショップです。
第一は「かまどさん」などの商品が、第二には作家の作品が、第三には土鍋がたくさんあり、2階が資料館となっていて創業当時からの商品などが見られました。

長谷園 展示室1
第一展示室前。隣が母やです。

長谷園 展示室2
第二展示室前。

土鍋の種類の多さにテンションが上がりました!
こんなに多くの中から選べるとは思っていなかったので、いい買い物したなって感じが…!

おそろいの取り皿なんかもあって、鍋だけでなくついでの買い物ももちろんしました

NHKの料理コーナーで使われたという説明つきの土鍋などもあって迷いましたが、なんとか選んだところで休憩をすることに。

なんと、国の登録有形文化財に指定されている「大正館」で休憩できます。
こちらも特に誰もおらず自由に利用できます。
なんだかおおらかな窯元ですね!

長谷園 大正館 外観

長谷園 大正館 版画

長谷園 大正館 内部

長谷園 大正館 まねきネコ

ここで驚いたことがありました。
休憩所にカップを置いて、お金(350円)をいれるとコーヒーが注がれる自動販売機があったのですが、利用したあとのカップをお持ち帰りできます。

350円でコーヒーとお土産をゲット。
なんだか得した気分です!

長谷園 大正館 コーヒーカップ

いい雰囲気の喫茶室。

長谷園 大正館 喫茶室

誰もいなかったのでのんびりさせてもらいました。
このカップを持ち帰りました。

長谷園 大正館 コーヒー休憩

長谷園 大正館 窓

外を観てもいいし、中を観てもいいし…。
癒やされました。

長谷園 大正館 展示

満足したところで夕暮れどきとなり、撤収することに。

長谷園 大正館 夕暮れ

ここで一点気になったことが。

長谷園 大正館 屋根の上に土鍋

この屋根の上の土鍋はなんですかね?!

とても気になる。
ちょっとググっただけではわからなかったので今のところ謎です。

商品の購入について

伊賀本店で購入の際に住所と名前を書き顧客になると、20%OFFで購入できます。

特にそのようなことは店内に書いてなかったと思うのですが、
購入する際に突然レジで言われました♪

ちなみに私は色も形もオーソドックスな土鍋と取り皿を購入しました。

使ってみたところ、普通の鍋と比べ熱が全体に伝わりやすいのか、火から遠い鍋の上部の食材にもしっかり火が通りました。
また、保温効果が長続きするため、火からおろしても温かさが保たれ美味しく食べられます。

デザインもシンプルで無骨な感じと艶が気にいっています。

長く愛用していきたいと思います!

おわりに

思いがけず、伊賀焼の窯元を訪れることになったのですが、かなり面白い体験ができました。

「スカーレット」にハマっていることもあり、窯元をウロチョロできるだけでも嬉しかったってのもあるのですが…笑

見学しての感想は、歴史あるものが、今なおしっかりと生き続けている感じがしてよかったです。

例えば大正館であれば、開放して休憩所にしていたりと、保存して触れないようにするのではなく当たり前のように使用する、その感覚が素敵だなと思いました。

しっかりと手入れが行き届いた古い建物での一服は、時間とお金と手間をかけて守られてきたことを思うと贅沢な気持ちにさせられました。

商品についても、私が購入したような定番のものから、ご飯用の土鍋や電気炊飯器の土鍋など、定番を揃えつつも進化を遂げていて驚きました。

このような窯元が長く続くよう応援したい気持ちになりました。
機会があればまた何か購入したいです!

最後までお読みいただきありがとうございました!

楓*

楓*

主婦 兼 校正者

東海地方に住む主婦で校正者の楓*です。
記録しておきたい日々の出来事や思い出、整理しておきたことなどをブログに綴っています。
旅・山・自然が大好きで、趣味は読書と映画・ドラマ鑑賞です。

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